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2011年以前
2011/12/26 | 2011年度大会の報告を掲載しました。 |
2011/12/22 | 『華僑華人研究』第8号の刊行の案内を掲載しました。 |
2011/12/17 | 2011年度第2回特別企画の案内を掲載しました。 |
2011/11/30 | 2011年度第2回研究会の報告を掲載しました。 |
2011/11/05 | 2011年度第2回特別企画 発表者募集のお知らせを掲載しました。 |
2011/10/06 | 会員著作を更新しました。 |
2011/09/22 | 2011年度第2回研究会の案内を掲載しました。 |
2011/09/01 | 会員著作を更新しました。 |
2011/07/21 | 2011年度第1回研究会の報告を掲載しました。 |
2011/05/29 | 2011年度第1回特別企画の報告を掲載しました。 |
2011/04/19 | 2010年度第4回研究会の報告を掲載しました。 |
2011/04/18 | 会員著作を更新しました。 |
2010/12/21 | 2010年度第3回研究会の報告を掲載しました。 |
2010/08/06 | リンクを更新しました。 |
2006/09/18 | 会員名簿作成のため,会員登録票(word pdf )を未提出の方は,至急,学会事務局まで,メールの添付ファイルにより,提出をお願いします。 |
2006/04/26 | 日本華僑華人学会では,会員専用のメーリングリストの開設しましたので,これにともない,本ホームページの会員専用の掲示板を閉鎖しました。 |
■2011年度大会の報告■今年度の第9回年次大会は、11月12・13日に南山大学(名古屋)で開催され、会員・非会員あわせて研究大会には約50名、大学教職員食堂で行われた懇親会には約30名が参加しました。 公募研究報告は、13日の午前中に4名の会員により行われ、活発な議論が続きました。分科会は、華僑華人をめぐるイシューについて地域横断的に考察するセッション(分科会1)と、限定された地域の華僑華人からその国・社会について考察するセッション(分科会2)を行いました。12日の分科会1「多文化教育と華人・華僑社会―EU、マレーシア、日本及び中国の視点から―」では、社会的マイノリティへの教育機会の保障を目的として始まった多文化教育が、グローバリゼーションが進むなかで変質してきたことを、日本・マレーシア・フランスといった複数の地域の華僑華人の事例・視点から重層的に浮き彫りにしました。13日にひらかれた分科会2「ポスト・スハルト期のインドネシア華人をめぐって」では、華人をとりまく政治経済構造・文化・宗教という視座から、社会環境が大きく変化するポスト・スハルト期のインドネシアの姿が明らかにされました。 公募報告と分科会を通し、一方ではグローバリゼーションの進行により国民国家やイシューが変質するなかで、他方では研究環境のグローバリゼーションが進むなかで、変化を捉える視座としての「華僑華人」の可能性が示されました。
大会開催にあたり、多大なご協力をいただいた会員の皆様に心より御礼申し上げます。
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(文責: 大井由紀会員) |
■『華僑華人研究』第8号の刊行の案内■学会誌『華僑華人研究』第8号は2011年12月15日付で刊行をすることができました。学会員のみなさまのお手元にはクリスマス前に届いていることかと存じます。 編集後記にも書かせていただきましたが、2011年度は3月11日の東日本大震災の影響を受け、学会誌を通常のスケジュールで編集・発行することができませんでした。しかし、投稿・寄稿いただいた学会員や2010年度研究大会シンポジウム関係者、査読をお願いした編集委員と学会員にひとかたならぬご尽力をいただいた結果、何とか年内に刊行する運びとなりました。本誌第8号の編集に携わった方々には心より感謝いたします。 学会誌第8号の目次は下記の通りです。会員だけではなく掲載論文・記事に関心を持つ一人でも多くの非学会員の方々が本誌を手に取り、学会の存在と動向と高い学問水準についての認識を持ち広めていただけますことを祈念いたしております。 学会誌第8号編集委員会委員長 『華僑華人研究』第8号目次 |
■2011年度第2回特別企画の案内■テーマ: 東南アジアの華僑華人 報告会会場: 愛媛大学城北キャンパス(松山市文京町3) 共 催: SEAF(Southeast Asia Form 東南アジア談話会) 研究報告プログラム 第一報告(13:35~14:35) 第二報告(14:45~15:45) 第三報告(15:55~16:55) 総合討論(17:00~18:00) 問題提起: 八尾隆生氏(広島大学大学院/SEAF会員) *研究報告終了後、懇親会を予定しております。 エクスカーション 本「特別企画」は、当日ご自由にご参加いただけますが、準備の都合上、なるべく事前に、上水流久彦までメール(末尾をご参照下さい)にてご連絡いただければ幸いです。 宿泊について ホテル泰平・ホテル泰平別館: 松山市平和通3丁目1-15 TEL: 089-943-5000 ビジネスホテルサンガーデン松山: 松山市平和通3-2-10 TEL: 089-926-4411 また、大学宿舎(ビジネスホテル程度、無線LAN可能)も仮押えしています(28日)。ご希望の場合は、数に限りがありますので、先着順に受付けます。前後泊の必要な場合は、お知らせ下さい。 料金: シングル2400円、ツインシングルユース2500円、ツイン3800円、朝食+600円 ご希望の場合は、菅谷成子までご照会・お申込み下さい(末尾をご参照ください)。なお、宿泊希望については、年内は12月30日まで、年初は1月13日以降の受付・メール対応になります。ご了承下さい。 本件連絡・照会先 大学宿舎の利用について: |
■2011年度第2回研究会の報告■日時: 2011年10月22日(土)午後5時~午後7時15分 場所: 慶應義塾大学三田キャンパス 南館4階会議室 発表: 和仁廉夫会員(一般会員、ジャーナリスト) コメンテータ: 山本須美子会員(東洋大学) 司会: 谷垣真理子会員(東京大学) 和仁会員の報告は「僑郷志向を強める中国ミスコン」と題し、中国各地で行われているミスコンテスト(以下、報告者の用語法にしたがってミスコン)をとりあげ、僑郷をキーワードにそのなかの新しい潮流を分析しようとしたものであった。本報告では映像資料が多用され、臨場感あふれるものとなった。 本報告で主な題材となったのは、ミス・ニューヨーク・チャイニーズ(紐育華裔小姐)であった。2002年に始まった同ミスコンは2003年からニューヨーク郊外のモヒガンサンカジノ(金神大賭場)でファイナルが行われるようになった。ニューヨークにはマンハッタンのチャイナタウンのほか、クイーンズのフラッシングなど「第2のチャイナタウン」と呼ばれる郊外型チャイナタウンがあり、中国系人口は61万人にのぼるという。 中国のミスコンの原型は1973年から続くミス香港(香港小姐)までさかのぼる。テレビ局の人材八活を兼ねており、入賞者はTVBと専属契約を結び、過去の入賞者から女優やタレントを輩出した。1985年、香港のライバル局ATVが亜洲小姐を始め、1988年には中国ミスコンの始祖である「美在花城」が広州電視台で始まった。「美在花城」は当初隔年開催で男女コンテストであったが、2003年に女性のみのミスコンとなり、ダンスと歌唱をとりまぜた中国ミスコンの基本形式を確立した。その後、中国内地ではさまざまなミスコンが実施されるようになった。 日本の事例と比較すると、中国のミスコンは長い予選期間があり、その間に出場者はキャットウォークやポーズだけではなく、ダンスや歌唱など、自身の才芸に磨きをかけた。 しかし、林立するミスコンに中国婦女会などから批判が寄せられ、中国ミスコンは2000年代に入ると、国際大会を積極的に招致し、さらにその後、海外華僑と連携し、僑郷志向を打ち出すことに新たな活路を見出している。 本報告に対しては、ミス・ニューヨーク・チャイニーズで、優勝者が中国の血統を引くものの、ミスコン応募時には中国語を解さなかった米国出生者であったことなどから「中国ミスコンの審査基準が西欧的な価値に追従しているのではないか」「ミスコン批判にフェミニズム的視点が欠けているのが中国的ではないか」「出場者が『チャイニーズ』であるという認定は父方出自か、母方出自か」「米国のチャイナタウンでの政治的プロパガンダは存在しないのか」「ミスコンの観衆は何を楽しんでいるのか」など、さまざまな質問が寄せられた。 夕方5時から夜間にかかる時間に開催されたが、休憩なしの2時間強の本研究会には、12名(会員10名、非会員2名)が参加した。その後の懇親会にも10名(会員9名、非会員1名)が参加し、引き続き熱心に意見交換した。 (文責:谷垣真理子会員) |
■2011年度第2回特別企画 発表者募集のお知らせ■日本華僑華人学会会員各位企画委員会副委員長 上水流久彦 担当企画委員(開催校責任者) 菅谷成子 「2011年度第2回特別企画」における研究会を下記の日時・場所・テーマで開催することを計画しております。 そこで発表者を2名程度公募することになりました。発表を希望する会員は下記の要領でご応募ください。ただし、応募者多数の場合には、企画委員会にて選考を行うこともありますので、ご了承ください。 なお、会場は、道後温泉にも近く、翌日の1月29日(日)午前は自由参加のエクスカーション(湯築城資料館等を予定)も企画しております。ふるってご応募ください。
1.研究会日時・場所 |
■2011年度第1回研究会の報告■日時: 2011年7月16日(土)午後5時~8時 場所: 慶應義塾大学三田キャンパス南館5階会議室 発表1: 持田洋平会員(慶應義塾大学大学院) 「シンガポール華人社会の近代の始まりに関する一考察 ―林文慶と辮髪切除活動の関係という観点から」 コメンテータ: 山本信人会員(慶應義塾大学) 発表2: 藤村是清会員(放送大学(非常勤)) 「華僑移動数(1844~1940年)基礎資料に基づく長期趨勢の1考察 ―出4港別、移民先8地域(海峡植民地等)別、総数、男女年齢別、月別グラフ」 コメンテータ: 三尾裕子会員(東京外国語大学) 司会: 芹澤知広会員(奈良大学) 発表1では、慶應義塾大学大学院に在学中の持田洋平会員が、現在研究中の近代シンガポール華人史について発表した。 発表者は秘密結社の影響力が衰退するとともに、華人の「中国」への帰属に関する公的な議論が行われるようになる1890年から1911年にかけての時期を、シンガポール華人社会の近代化の初期段階と捉えたうえで、「中国」への帰属意識に関する議論が華人社会に与えた影響について、シンガポールの海峡華人社会を代表する人物の一人である林文慶と、林文慶が主導した辮髪切除活動から考察を加えた。 当時のシンガポールの英語新聞や中国語新聞、林文慶らが1897年に創刊した英語雑誌などの史料から文章を引用することで、辮髪切除問題が、林を含む当時のシンガポールの海峡華人社会の指導層に与えた社会的影響を詳しく紹介し、この時代からシンガポール華人社会に「中国帰属意識」や「中国人性」の認識が議論されるようになったことの重要性を指摘した。 コメンテータの山本信人会員は、ナショナリズムの捉えかたの観点からコメントし、19世紀末のシンガポール「華人」(華語新聞は「華僑」なる言葉を選択していなかった)の社会的・政治的生活に関わる大きな問題を提起して今後の研究の可能性を示唆した。 そのコメントによると、本発表で使われる「中国ナショナリズム」は英語で「Chinese Nationalism」と表現できるものであるが、本発表が対象とする海峡植民地においての「Chinese」は必ずしも国家としての「中国」への帰属を示すものではない。林文慶に代表される「海峡華人(Straits Chinese)」は英国臣民であり、かれらにとってのナショナリズムは、海峡植民地において新しい社会的地位を構築するという志向性を指していた。海峡華人の「中国人性」、「中国化」はかれらの自己規定と選択の問題として考えることができる。この理由から、本発表が扱う辮髪切除問題をめぐる議論とは、海峡華人のなかでの世代間政治の表象であったと解釈することもできる。 発表2では藤村是清会員が、1990年代から継続して研究を行っている、中国の海関と香港の植民地政庁の統計を用いて算出された中国人の出入国数の経年変化について、近年のシンガポールでの調査の成果も含めて発表した。 本発表では、1855年から1940年にかけての時代の、厦門、汕頭、瓊州、香港の4つの港から、海峡植民地、タイ(バンコク)、蘭印、フィリピン(マニラ)、仏印、米国、カナダへの出国者数、そして上記の東南アジアと北米からの中国への入国者(帰国者)数についての、発表者の長年の研究の成果がグラフのかたちで要約されて提示された後、とくに女性と子供の構成比と月別のグラフに焦点があてられて論じられた。 女性と子供が統計上識別できる香港の統計からは、1855年の初期の出入国者がほぼ100パーセント男性であったものが、1939年に近い最終段階においては全出国者の割合では5割、全入国者の割合では4割を占めるくらいにまで、女性と子供が増大していったことが認められる。 また、米国サンフランシスコの統計を使った1855年から1868年にかけての香港とサンフランシスコの月別の移民数からは、53パーセントが11月から翌年の1月にかけて中国に帰国し、73パーセントが3月から5月にかけて米国へと出国するという傾向が認められる。 上記の分析から、年代が下るにつれて現地定住の家族が形成され、女性と子供の渡航が増大し、また女性と子供が中国の故郷と移民先を往復することによって、移動数全体が増大したこと、さらに帰国と出国の往還を促すうえで中国人の春節の行事が関わっていることが指摘された。 コメンテータの三尾裕子会員は、現代を研究する人類学者としての立場から、華僑の過去について安易に定説となっている研究を引いて現代の華僑と比較することに警鐘を鳴らす、発表者の研究の重要性を指摘したうえで、統計の読みかたとそこから導き出される仮説についての質問をした。 発表者からの応答として、帰国の人数が「のべ人数」であり、同じ人がリピーターとして帰国していることが考えられ、帰国できる人と帰国したくてもできずに移民先にとどまる人とのあいだの違いについては、今後の課題であること、移民先で中国人の社会生活が営まれる「インフラ」が整備されることで、春節の行事を現地で行うように変化したと想定できることが述べられた。 夕方5時から夜間にかかる時間に開催されたが、休憩なしの3時間のなかに充実した内容が盛られた研究会となった。参加者は、会員9名、非会員1名の合計10名。その多くが、引き続き会場近くで開催された懇親会にも参加して、熱心に意見を交わした。 (文責:芹澤知広会員) |
■2011年度第1回特別企画の報告■テーマ: チャイナタウンの研究と教育 日時: 2011年5月14日(土)14:00~17:10 5月15日(日) 9:00~11:30 場所: 大分県立社会教育総合センター2F視聴覚室 プログラム: 【1日目・14日】: 研究会 14:00~15:30 第一報告: 大栗真佐美会員(大阪大学大学院) 「日籍華人の教育観―中国帰国者3世のアイデンティティから―」 コメント: 藤井久美子会員(宮崎大学) 司会: 甘利弘樹会員(大分大学) 15:40~17:10 第二報告: 園田節子会員(神戸女子大学) 「大学の国際理解教育における訪問型授業と招聘型授業の試み」 コメント: 篠崎香織会員(北九州市立大学) 司会: 甘利弘樹会員(大分大学) 【2日目・15日】: エクスカーション 9:00~11:30 大分市歴史資料館(テーマ展示: 豊後南蛮交流史)の見学 第一報告では、日籍華人と呼称する中国帰国者へのインタビュー調査を通して、彼らのアイデンティティ及び教育観が検討された。中国帰国者1世~3世からなる家族には、言語・ライフスタイル等において世代によるギャップが存在している。とりわけ受けた教育とそれによって形成された教育観は、インフォーマントの具体的な証言から、子弟の中国語教育や進学・留学に対して深い影響を与えていることが鮮明に見て取れる。また本報告を通して、中国帰国者が子弟の教育の場を模索している様態が浮き彫りになった。 第二報告では、報告者の大学でのチャイナタウンに関する授業実践をもとに、華僑を学ぶプロセスにおける可能性や課題について分析が行われた。上記授業では、神戸南京町をフィールドとしつつ訪問型・招聘型の授業スタイルが実践された。この実践例によって、フィールドワークの教育効果や、華人を講師として招聘した授業の展開とその意義が、具体的に明示された。それと同時に両スタイルの授業が持つ課題を提示し、「多文化社会」への理解を学生に促すメソッドが希求されることを指摘した。 コメント・ディスカッションでは、華僑・華人及びチャイナタウンの研究における方法・理論をめぐって意見・質問が多数出された。特に用語の定義・使い方、そして調査の目指す方向性について検討する必要性が提案された。また、研究成果を教育現場や社会にフィードバックする際に、受講する学生や社会の構成員に対して、いかなる方法が有効であるか、どのようにして興味・関心を惹起できるかを考えさせられた。 なお研究会翌日には、エクスカーションとして、大分市歴史資料館のテーマ展示「豊後南蛮交流史」を、館員の説明を受けつつ見学した。当該展示では、16世紀の九州と東南アジア・ポルトガルとの交流を表す絵図・遺物を間近に観ることができ、啓発されるところが多々あった。 本企画への参加者は15名であった。遠路参加いただいた方々のありがたいご協力は、言い尽くせない程である。研究会の地方開催にはスタッフ不足等の問題があるが、ディスカッションが白熱したり、エクスカーションで情報交換が弾んだりするなど、活気に溢れていた点は救われた思いがした。
研究会参加者:15名(会員10名、非会員5名) (文責:甘利弘樹会員) |
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